報告 環境問題講演会
 
   今から16年前、1986/04/26に起こったチェルノブイリ原発事故の記憶も薄れる私たちの生活ですが、この問題について地区社会委員会・環境問題小委員会の主催で、第3回環境問題「講演会」が、6/1に埼玉新生教会を会場に開かれました。参加者33人。地区内教会・伝道所12、以外の他教派を含めた教会3。
 講演は、奥中山教会の三好鐵雄牧師で、題は「消えた458の村」でした。
 ビデオテープの映像から、当時の様子を視覚的にとらえることができました。
     

 「チェルノブイリの原発の爆発事故で被爆したり放射性物質の影響を受けて、16年間に亡くなった人は何人いたと思うか?」と、講師は私たちの認識度をチェックしてくれました。数千人かと思っていたら、100万人を越えているという。
 広島の原爆の直接の被害者は約15万人、56年間で全体で30〜40万人の被害者といわれていることからすると、わずか16年間で、100万人とは。放射性物質の影響は、今後も長く続き、「後遺症」に苦しむ人々がこれからも生まれてくるのに。
 その被害の大きさに驚くのだが、今回の爆発で大気に放出された放射性物質、チェルノブイリ原発内の約10%に過ぎないのだと。そして、残る90%はコンクリートで固められた「石棺」の中でなお生きているという。
 放射性物質は目で見ることができないので、私たちは十分認識してこなかったけれど、爆発後1週間で、日本にも放射性物質がジェット気流に乗ってやってきて、自然状態をはるかに越える量の放射性物質を撒いていったのだそうです。山に川に、食物に大量の放射性物質が着いていたそのままの食べ物を私たちは食べていた。まるでグローバルな視点もその怖さを知らなさすぎました。


講演する三好先生

 遠いはるか彼方の国で起こった事故ではすませられない。「どの国の親も、子どもを健康に育てる義務がある。」と、三好先生は語るが、私たちは無知のままでいすぎたのではないか?「被害はない」というIAEA(国際原子力機関)の調査報告を鵜呑みにしてきたのではないか?この団体の目的は「原子力推進」なのだということも知らないで。1999年に起きたJOCによる東海村での臨界事故後、簡単に出た安全宣言も、原子力推進をはかる政府が出させたにすぎないのに。
 「本当のことを知らされていない」ことへの怒りが、心にわき上がる講演でした。
 お茶を飲みながら、さらにQ&Aの時間を持ち、私たちは何ができるのかを考えさせられる集会でした。
資料の紹介も多数ありました。


資料


資料

チェルノブイリに関わる子どもたちを支援する「チェルノブイリ子ども基金」のWebもご覧ください。
 http://www.smn.co.jp/cherno/  「チェルノブイリ子ども基金」
                                          (報告:中村 眞)

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