報告 教育委員会主催「公開研修会」
 
 2003年9月13日(土)午前10:30〜午後3:00、毛呂教会・神愛ホームにて、埼玉地区教育委員会主催公開研修会「虐待を巡って−子どもの心のケアを求めて−パート2」が開催されました。 昨年この主題での研修会開催を最初に予定され、途中体調不良で講師を降りられた藤波良也先生(毛呂教会牧師、児童養護施設「神愛ホーム」施設長)による講演がありました。

 「児童養護施設は、3歳から18歳までの「養育困難」「養育拒否」「虐待」「親の行方不明」等の理由で、家庭生活ができなくなった子どもたちが、本来の家庭の代わりに生活する、いわば仮の家庭なのです。もちろん家庭状況が好転すれば家庭復帰します。」(しんあいだより No.59 2003年7月20日発行 より)
 このように、現在、児童養護施設にいる子供たちのほとんどは、両親と「生別」しその大半が虐待によるという。埼玉県内の児童相談所からのデータに寄れば、現状では虐待者は実母が多く、被虐待児の低年齢化の傾向にある。「三つ子の魂百まで」と言われるが、生まれて数年で虐待を受けた子どもの心の傷は非常に深く、基本的な人間関係を築くことが難しくなり、いろいろな問題があらわれてくる。
 ハードの面では、児童養護施設の職員数が不足している。というのは、被虐待児のケアだけでも非常に難しく時間がかかるのに、現行では6人の児童に一人の職員ということになっている。また、虐待された子どもたちが抱える情緒障害を精神科医ら専門家のサポートを得ながら治療する「情緒障害児短期治療施設」や、小児の精神科が、埼玉県にはないので、これらの施設の早急な設置も望まれている。・・
 問題の根の深さに心が痛みます。傷を負った子どもたち・大人たちをわたしは、教会は、どう受け入れることができるのでしょうか。知ることの大切さを感じました。

 昼食を挟み、午後は「神愛ホーム」施設見学をさせていただきました。工夫しながら生活しているのだなと感じました。印象的なのは、高校生くらいになると、自分で買い物、調理できるように、スペースをとってあった部屋でした。その後、ホームのホールで、毛呂教会と神愛ホームの関わり、職員の方々から神愛ホームでの暮らしや、現状報告をいただき、質疑応答がありました。閉会礼拝で、研修会は閉じられました。

 協議を深めるところまではできませんでしたが、現場に赴き現場の声を聞くことができたことは、講師を迎えて聞くよりも、意義深かったと感じています。また、毛呂教会より、教会学校で神愛ホームの子どもたちを迎えていること、特に中高生を夏の地区KKSキャンプに送り出していると伺い、温かい関わりを築こうとしている教会の地道な働きに、教育委員会としても改めて感謝をいたしました。

 参加者は62人(18教会)でした。
 
 なお、神愛ホームは施設の移転新築の計画をすすめており(2004年申請予定)、土地取得の見通しがつき、移転新築事業支援の募金運動を始めています。お祈りとご支援のお願いがありました。
(詳しくは「社会福祉法人神愛ホーム建設委員会」まで。電話049-294-0040)

報告:金田佐久子(ホームページ委員・西川口教会)



  講師の藤波先生
資料を掲示して現状・課題を伝える
  神愛ホームにて、報告を聞く


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