報告 第12回アーモンドの会(障教懇)
 
 去る9月23日(土)埼玉和光教会を会場に参加者は教会数28、団体2、人員は80名である。団体とは心の病の方々の組織で、埼玉地区以外と、他教派の教会からも参加があった。
 今回の主題は「共に生かされる共同体を求めて―価値観の違いを超えて―」であり。講師、発題者は、教団名古屋堀川伝道所の島しず子牧師である。当初は愛知県内の別の教会をご主人と共に牧し、付属幼稚園の園長として、充実した毎日を、大きな試練が襲った。誕生し成長された長女の陽子さんが幼児期に百日咳から発病され、重症心身障害児となられた、母親として全力をあげられたが、症状は一向に改善されないし、遂に苦しみが重なり一時、退職され、地域で障害者が生活できるように努められる団体に参加されたが解決には遠かった。しかし、このような母子を救ったのは「ラルシュの精神とそのホーム」の創始者ジャン・パルニエの来日による出会いである。母子が直接会話することにより、本人の暖かい人格とそれまでに最も重い心の病の方々と共に共同体を作り、共に悩み、共に問題を考えて来られたラルシュ・ホームでの体験は、先生を希望と前進へ導いた。堀川伝道所牧師として復帰し、先ず最初の組織、障害者・友の会「愛美」の結成に努められ、これを母体にその通所施設、大地の家を開設され。再度来日されたラルシュの人々の助言と同地域のカトリック教会の神父等、賛同者を統合し、これをモデルとした日本での共同体、ホーム「みどりの家」を開設し運営に当たられている。
 ラルシュは退役軍人の哲学者ジャン・パルニエが数名の同志と共にフランスに於ける精神病者の悲惨な収容施設の現状を改善するための新しい祈りを中心とした運動であり、社会に於いて阻害され無視されている弱者に対しても、その人格を認め、要求をも理解し、共に助け合って進もうとする共同体の運動である。それは島先生の信仰、そして、「イエスの眼差し、その福音は弱い者の一人をも見捨てることなく、地の果てまで」と同じ基盤によるものである。
 次に松波朋子姉(草加教会 会員)による「化学物質過敏症による新しい障害―教会に於けるバリアフリー」についての証があった。終わりに七つの分団協議があり、共に感謝し、次回の再会を期して会を終了した。

報告:中川義宣(アーモンドの会委員、東所沢教会信徒)



アーモンドの会委員長の長尾邦弘牧師(小川教会)




講師の島しず子牧師




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