報告 第13回アーモンドの会(障教懇)
 
 13回目の開催となる集会は2007年9月24日(月、休日)大宮教会にて参加者97名、所属教会・教団、埼玉地区19、関東教区3、東京教区1、他教派の教会2の計25であった。

 主題は「障害者自立支援法をめぐって一今問われていることは何か」である。
 講師の立教大学、コミュニティー福祉学部教授、赤塚光子氏は、障害者福祉施策の抜本的改革を意図したこの障害者自立支援法は制定1年後の昨年4月より施行されているが、制定時から現在に至るまで、さまざまな課題が提起され、特に最近では福祉と施設の現場で多くの困難な課題が続出している。この法律の趣旨と制定までの経過をわかり易く説明され、措置から支援への変化と、現在の最大の課題を二つ指摘された。その第一は応益負担(能率競争原理)の福祉の場への導入で、その結果、今までの施設利用者は公費であった障害者が、低所得者でも費用の負担を強いられ、中には退所を余儀なくさせられた事例が続出し、小規模施設等でも経営困難、職員の人件費削減に至っている。第二は利用サービスの範囲と種類を定めたが、それがサービスの限定と低下に直結し、障害者の生活の不安となっている。このような現状は急に改正がなされなければならないと強調された。

 次いで阿久澤紀雄兄(安行教会信徒)がお子さんの、障害児童の養育と福祉についての信仰者としての証しをされ、会場に感動を与えられた。
 ミッションスクールの教員として順調な家庭生活を送られていたが、障害児童の誕生により一変された。何故、信仰者のこの家庭にこの子が与えられたのかと悩みのなかにおかれ、都内の別の教会に一人だけで隠れるように出席された事もあったという。養護学校を卒業されてからは、地域での自立の為、卒業生とその家族で障害者共同作業所の創設に努力された。作業所からさらに自立を進める為に、キリスト者の小企業経営者の好意により就労できたが、障害者が働く環境を整えること難しく、長く働くことは出来ず、また作業所に戻ることになった。しかしこの間に、自立支援法の施行があり、制度についてさまざまな改悪がなされており、現場は混乱して行ったとのこと。幸い雇用対策の活用により大企業に500名のものが採用され、その中で障害者15名がグループとして就労している。かくて自立への更なる一歩を踏み出すことが出来て、本当に感謝している。今後とも、障害者の地域での自立の為に一層の努力をしたい。と、証しを終えられた。

 次いで、これまでの経験を生かす為、五つの分団に分かれて協議が行われ、終わりの総合協議で全日程を終了した。
 参加者には、障害者本人やその家族が多く、中には母子で参加され、また、数名の社会福祉専攻の学生もあり、関心の高さを知ることが出来た。また、手話通訳とOHPによる要約筆記にはボランティアの女性の方々の奉仕が毎年続けられている。次14回の集会は、より充実した内容のものとしたく、感謝を持って報告するものである。

報告:中川義宣(アーモンドの会委員、東所沢教会信徒)



大宮教会のようす




講師の赤塚光子氏




 阿久澤紀雄兄


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