報告 秋の教会音楽講習会 (2008年)
 
  9月20日(土)心配された台風も過ぎ去り、逆に暑さが気になる昼下がり。秋の教会音楽講習会が開催されました。

 会場は埼玉新生教会でした。埼玉新生教会の礼拝堂に設置されているのは、
Viscount 電子オルガンです。これまではリードオルガンやパイプオルガンでの講習が多かったのですが、このオルガンで指導を受けることとなりました。実際、電子オルガンを使用している教会も多いわけですので、その意味でもこの会場を使わせていただいたことは大変ありがたいことでした。埼玉新生教会の中村 眞牧師には、開会の聖書朗読と祈祷をしていただきました。

 さて、今回の講習会は二年にわたる「詩編を歌う」の年間テーマの下で3回にわたって学んできた講習会のしめくくり、とも言うべき第4回目の講習会です。
「詩編歌の奏楽曲パートU」が今回のタイトルでした。(昨年秋がパートT)

 これまでの学びが実践につながり、実質的に役立つ内容になるように、との願いから特に今回は「讃美歌21による礼拝用奏楽曲集・第3巻」をとりあげました。この曲集は各教会でも備え付けているところが多く、個人で持っている方も少なくないということと、いろいろな年代に作曲された詩編歌による奏楽曲が上手にまとめて掲載されているとが特徴です。

 そして講師は、この曲集を編集されたお1人、飯 靖子(いいせいこ)先生。実は飯先生は「北澤 憩」とのペンネームで、この曲集でも何曲か書き下ろしで作曲もされています。つまり、この曲集に関する最高の指導者を得たわけです。

 まず、讃美歌の歴史、とりわけ詩編歌について少しおさらいしていただいた後、実習に入りました。オルガニストや音楽担当の陥りやすいまちがいは、譜面に向かうときにまず音符にとらわれてしまうことかもしれません。先生はくりかえし、「字の部分をしっかり読んでください!」とおっしゃいました。讃美歌しかり、奏楽曲しかりです。実はその曲についてのたくさんの情報をしっかり把握してから、どう歌うかをイメージすることが大切です。

 そして作曲の時代や意図されているイメージをつかみ、さらに歌詞を読んだら、それで歌いだすのではなくこんどはメロディーを「ラララ…」とかで無伴奏で(!)歌ってみるのです。ことに小節線や拍子記号のない詩編歌などは、これがとても大事なことであることが、今回非常によくわかりました。

 いよいよ奏楽曲の実習です。今回は7曲の詩編歌とその奏楽曲を、7人の埼玉地区教会で普段奏楽をしている皆さんに弾いていただきました。ストップ(音色)の選び方や、その曲の礼拝での用い方を含め、ユーモアたっぷり、まさに当意即妙に教えていただきました。

 なによりも礼拝における奏楽者の心構えもはしばしに。「よりよい賛美に仕えるという姿勢が基本。まずは礼拝する人がハラハラしたり、不快に思うような奏楽をしない」という、当たり前なことながら、もしかして一番大切なこと(!)も改めて確認させられました。

 短時間にたくさんのことを教えられ、もっとお伝えしたくなります。でも、このくらいにしましょう。このつぎは講習会に実際おいでになりませんか?奏楽者だけでなく、讃美歌を歌う人には必ずお役に立ちます。でもなにぶん、こんなに楽しく充実した講習会に27名しかおいでにならなかったのです。このことだけが、残念です。  
 次回はぜひ、あなたもどうぞ。

報告:長尾愛子(教会音楽委員会委員長、小川教会)




歌いながら指導する飯先生


飯先生のオルガン指導





参加者


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