報告 秋の教会音楽講習会 (2009年) |
10月17日(土)大宮教会を会場に教会音楽講習会が行われました。 テーマは「葬儀の奏楽」。これは6月に開催された「結婚式の奏楽」と組み合わせて企画されたものです。講師として、6月に引き続き、「ユビラーテ奏楽者の会」の代表であり、讃美歌改定委員としても活躍された木田みな子先生をお迎えしました。 当然のことながら葬儀は突然であることも多く、奏楽を引き受ける可能性のある人にとってはいつでも心備えをしておかなければならないことです。しかしこれをまとまった形できちんと学ぶ機会はあまりありませんでしたので、非常に有益な会であったと思います。 また、20曲以上の奏楽曲をご紹介いただいたことにより、すぐに実践に役立つ資料ともなりました。参加者は18教会より29名。 以下、先生の講演から雑駁ながらまとめてみました。 1. キリスト教の葬儀とは 日本キリスト教団の新しい式文(試用版)の解説を軸に、葬儀というものが2000年のキリスト教会の歴史の中でどのように取り扱われてきたかということをおおまかに振り返りながら、今日的な葬儀の意味とありかたについて概説された。特に葬儀は礼拝であり、私的なことではなく、共同体的な営みであることを心得なければならない。 2. カトリックの葬儀 我々プロテスタント教会も学ぶべき点の多いカトリック(現代と中世)の葬儀について、葬送ミサの流れを追いながら内容的な解説がされた。 3. 葬儀に使用する奏楽曲の選曲について どのようなテーマの曲が相応しいか具体的にあげられた。特に詩編のなかでとりあげられるもの、また葬儀の中で読まれる聖句を意識して選ばれることが望ましい。 4. 選曲にあたって音楽的に注意すべきこと @ ある程度調子を考える。(例外もあるがト短調、ロ短調、ニ短調、ハ短調など)半音階を用いた曲などもよい。 A 全体に曲調は重さがありながら、慰めと希望を感じさせるものを選ぶ。 B 故人の生前の希望、亡くなられた状況、愛唱された曲なども考慮に入れるとよい。 C 前夜式と葬送とは意味合いを考慮して分けて考える。前夜式には慰め、葬送には信仰告白と希望を含むものが望ましい。 D 美しさも大切である。 E 献花がある場合は個人の愛唱賛美歌をしずかに次々と弾くか、続けて弾いても音楽的につながりがちぐはぐにならないものを用意しておくとよい。 *この後、実際に20数曲(初めの部分)を先生ご自身が弾きながら、紹介された。 |
報告:長尾愛子(教会音楽委員会委員長、小川教会) |
講師の木田みな子先生 |
熱心に聴く受講者 |
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