報告 教師一泊研修会

 2015年7月13日(月)〜14日(火)別所沼会館ヘリテイジ浦和にて、教師委員会主催の埼玉地区教師一泊研修会が開かれました。主題は「世界を癒すキリストの福音 ―異文化の中の教会―」、講師は、青山学院女子短期大学名誉教授の森泉弘次先生でした。
 報告者は1日目の途中までの参加で、一部分の報告になります。
 
 教師委員長の許昌範牧師(国際愛伝道所)による開会礼拝の後、森泉先生の講演T「ザビエルの日本宣教から今日本人牧師、伝道者、および信徒が世界を癒すメッセージとしての福音をより有効に伝えるうえで学ぶべきものは何か」がありました。森泉先生が翻訳された、小山晃佑先生著「富士山とシナイ山―偶像批判の試み」の中から、ザビエルによる福音宣教の意義について、講演を伺いました。
 講演題に「有効に」とあります。森泉先生が、精神医学者ジャック・ラカンの言葉を紹介しながら、「あなたたちは今何をしているのか? あなたたちのしていることは有効なのか? 目的を果たしているのか?」と、問うことが大切だとおっしゃったのが印象に残りました。森泉先生の生き生きとした講演はとても興味深いもので、その場にいないと知ることができませんが、先生からいただいたレジメの最後のところ(結語)を引用して、報告に代えたいと思います。

a 個人の生命が軽んじられていた戦国時代に、ザビエルによってもたらされたキリスト教が、一人の人間の生命を非常に重んじる宗教であったこと、領主や家父長の主権の前に奴隷に等しい位置に置かれていた個人の人権の重要性に覚醒させたこと。
b キリスト教の肝心要のキリストの十字架愛と復活力による「罪の赦し」と「永遠の生命」の素晴らしさが多くの日本人の魂を根底から震撼させたこと
c ザビエルは耐え難いほど過酷な試練に遭って絶望しかけるたびごとに、それは神が神以外の何者にも頼れないとわれわれに思わせる恵みの状況なのだと思い直して希望を持ったこと。
d ザビエルの後継者たちが、キリストの福音が人間を無用な束縛、拘束、苦痛から解放して創造者にして救済者なる神に導くものであると信じる師の新年を受け継いで、可能な限り伝道と福祉活動を平行させるよう努力したこと。
e ザビエルが、いつやむともわからぬ迫害や災厄に神に背きたくなるような衝動がこみあげてきたとき、同じような衝動に駆られやすい信徒や同僚司祭を導かせるために神が課す試練だと思って迷いを克服したこと。

 講演の後、川染三郎牧師(鴻巣教会)、西海満希子牧師(越生教会)の発題がありました。長い人生と牧会の経験をふまえて、感じておられること、考えておられることを語ってくださいました。

 夕食は、埼玉地区に新たに来られた先生方の紹介とご挨拶があり、温かい交わりに心が和みました。
 
 出席者は、38人・32教会。感謝。
報告:金田佐久子(西川口教会牧師、ホームページ委員会)



開会礼拝で説教する許先生



講師の森泉先生


参加者の様子


集合写真

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