2022年5月のみことば

そこから出掛けて

 イエスは言われた。「婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか。」マリアは、園丁だと思って言った。「あなたがあの方を運び去ったのでしたら、どこに置いたのか教えてください。わたしが、あの方を引き取ります。」 イエスが、「マリア」と言われると、彼女は振り向いて、ヘブライ語で、「ラボニ」と言った。「先生」という意味である。イエスは言われた。「わたしにすがりつくのはよしなさい。まだ父のもとへ上っていないのだから。わたしの兄弟たちのところへ行って、こう言いなさい。『わたしの父であり、あなたがたの父である方、また、わたしの神であり、あなたがたの神である方のところへわたしは上る』と。」 マグダラのマリアは弟子たちのところへ行って、「わたしは主を見ました」と告げ、また、主から言われたことを伝えた。
                   (ヨハネによる福音書20章15~18節)

 もし私たちが、聖書を読んですぐ、あるいは説教を聞いてすぐにイエス様の復活をすぐに信じられるなら、なんと幸いなことでしょう。イエス様の愛した弟子たちや婦人たちも、すぐには信じることは出来ませんでした。朝早く墓に行った婦人たちと弟子たちが見たのは、空の墓でした。弟子たちはイエス様がいなくなったと思い、帰って行きました。

 二人の天使が現れて、マリアに『婦人よ、なぜ泣いているのか』と尋ねます。それでも悲しんでいると、『婦人よ、なぜ泣いているのか。だれを捜しているのか』と声がします。マリアはその声の主を園丁だと思っていますと、イエス様は『マリア』と声を掛けられます。マリアは聞き慣れたイエス様の声であることに気づき、振り返ると、復活のイエス様が立っておられます!ようやくイエス様が復活させられたことを知り、マリアは喜びに溢れます。イエス様はマリアに、行って、弟子たちに主の復活を知らせなさい、と言われます。イエス様の復活を知り信じた者には、必ず主の復活を誰かに伝えるようにとイエス様はお命じになります。「主の復活を伝えなさい」と。

 マリアはイエス様に従いました。「復活のイエス様に会いました」と、十一人の弟子たちに伝えました。復活のイエス様にお会いするまでは、マリアは墓の外で立って泣いていました。愛し、頼っていたイエス様が死なれて、葬られた墓からいなくなったからです。共におられたイエス様がいない。そこにあるのは絶望です。悲しみがあり、不安でいっぱいです。しかし、復活の主は生きて共におられます。復活のイエス様は、私たちの心にもおいでくださり、希望をお与えくださいます。

 悲しみを喜びにかえ、不安を平安に変えてくださいます。だからマリアはその墓を後にして、イエス様の言われるとおり「イエス様に会いました」と弟子たちに伝えにいったのです。今いるその場から出掛けて行くのです。墓を後にしたマリアのように、私たちもイエス様の復活を伝えに出て行くのです。イエス様は私たちにも出会ってくださいました。復活の力をお与えくださり、イエス様の復活を伝えなさい、と言われます。私たちも、同じところに留まり続けてはいけません。イエス様の示されるその先へ、私たちも出掛けるのです。イエス様のお与えくださった福音の恵みを携えて、イエス様の示されるその場へと出掛けましょう。

 先週、ナルド献金の呼び掛けがありました。「わずかなものだけれども出し合って、昨年度は10万円以上の献金ができました」と。私たちは余裕があるからささげるのではありません。コロナが収まったら、安心が戻ったら、お金があったら伝道するのではありません。復活のイエス様が私たちに命を与えられ、私たちを遣わしてくださるのです。さあ、私たちも出掛けましょう。

お祈り)復活の主を感謝します!共に主を喜び、主を伝えるため、私たちも出掛けます。

初雁教会 町田さとみ牧師
(まちだ さとみ)





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