2022年9月のみことば

イエスさまはきみがだいすき

 イエスに触れていただくために、人々が子供たちを連れて来た。弟子たちはこの人々を叱った。しかし、イエスはこれを見て憤り、弟子たちに言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。」 そして、子供たちを抱き上げ、手を置いて祝福された。
              (マルコによる福音書10章13~16節)

 皆さん、この夏も暑かったですが、いかがでしょうか。秋とはいえども暑い日が続きますのでどうぞ、お大事にしてください。
 さて、9 月の第 1 週は振起日礼拝と言われる日でもあります。振起日礼拝とは、教会学校のこどもたちと共にもたれてきた礼拝です。アメリカの教会では、ラリー・ディー(Rally Day)といわれるものに由来されます。教会員全員が再結集(ラリー)する日のことで、暑い夏も終わり、子どももおとなも気持ちも心機一転新たに出発しましょうとの意味です。また、秋の教会諸行事からクリスマスまでの歩みを共に歩みだしましょう。との意味のある礼拝です。

 特に今年は早く梅雨が明け、夏はやはり酷暑でした。しかし、途中、梅雨かと思えるような豪雨もあったりと、落ち着かない夏だったように思います。今年も気候変動の影響が象徴的な夏だったように思います。そして8月の末には急に涼しくなりました。このまま過ごしやすくなれば良いのですが、さてどうなるのでしょうか。通常秋は体も心もクール―ダウンしながらというのですが、今年も急拡大のコロナ感染対応と気候に体調を気をつけながらの秋となりそうです。それでも秋は実り多き時です。その恵みを感じつつ神の恵みに満ちた歩みをしましょう。

 しかし、コロナ禍にある教会にとってはとても厳しい教会運営を強いられます。礼拝すらも感染症者の急拡大では、皆が集まっての礼拝堂での礼拝も見合わせてオンラインになっている教会も多くあります。こんな時だからこそ、皆で祈りを合わせ、心ひとつにして、思いを一つにして固く結び合いたいものです。この秋、希望を失わずイエス・キリストの招きに思いをはせ、み言葉に励まされて歩みたいものです。

 さて、今日の聖書は、有名なお話です。子どもの好きなイエスさまが、イエスさまの好きな子どもたちを招いて祝福をされる物語です。イエスさまのの周りには、実に色々な人が集まってきました。イエスさまの祝福を受けたいと思ったのは、子どもたちだけではありませんでした。当時のユダヤの社会で市民として認められていた人々だけでなく、むしろ当時の社会から無視されていた人々も多く集まりました。病人とか障害を負った人や女性たちとか、あるいは当時の社会でつまはじきにされていた徴税人や罪人といわれた人たち、そして子どもたちもしばしばイエスの周りに集まりました。

 特に子どもは、当時のユダヤ人の社会では、ユダヤ教の律法を守ることができない存在であって、一人前の人間として何ら重要視されない、無視された存在だったのです。しかし、イエスさまはそのような当時に全く無視されていた子どもをイエスさまは特に重要視したのです。ということは、この世から疎んじられ、小さくされてしまった人たちをも大事にされ、慰められる方だったということが、イエスさまの振る舞いから読み取れます。
 
 そして、今日の14節後半から15節では、「『子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのも
のである。はっきり言っておく。子供のように神の国を受け入れる人でなければ、決してそこに入ることはできない。』」と言われます。これらの言葉は、この時代苦しむ子どもたち、小さくされた人々とって、イエスさまの平安と慰めが与えられ、そのことが実現されるのではないかと思えるよな言葉でしょう。

 しかし、冒頭に言いました振起日(ラリー・ディー)は、子どももおとなも気持ちも心機一転新たに出発しましょうとの意味ですといいましたが、⾧い休みを終えて、心機一転と思えない子どもたちのことが、とても気になります。1 学期何とか乗り切った子どもたち、乗り切れず重いものを背負ったここどもたちのことが気がかりです。苦難を背負っていくにはあまりにも重すぎ、光明が見いだせず、閉塞感の中で生きる力すら奪われている中で癒しを求めている子どもたち、その子どもたちに何が語られるのだろうかと思ったとき、私は「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである。」の言葉です。

 すなわち、「あなたは、あなたのままで、そのままでよいのです。生きていてくれたら、それだけでいいです。」とのイエスのやさしい言葉が響くのです。どうか、苦しみ、もがく子どもたちに「無理しないで!」と声をかけていきたいと思っています。そして、「イエスさまはきみがだいすき」だからね。

狭山教会 中田正道牧師
(なかた まさみち)





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